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アクリルディスプレイの歴史と変遷

アクリルディスプレイの歴史と概要

今や商品を展示する上で欠かせないディスプレイ什器ですが、
その素材となるアクリルの歴史について紹介します。
アクリル素材は、とても透明度の高い非晶質の合成樹脂で、
擦ると特有の匂いを発することから、古くは「匂いガラス
と呼ばれましたが、
現在ではポリカーボネートなどと同様の「有機ガラス」とされています。
主原料は「アクリロニトリル」と呼ばれる石油から作られた素材です。
アクリルの歴史はまだ浅く、発見されたのは19世紀末ですが、
原料の研究・開発によって1944年、繊維化に成功します。
その後、日本にもこの素材は広く使用されるようになり、
日本での歴史は1956年~1959年にかけてポリエルテルと同様に、
国内の多くの工場で生産されるようになりました。
アクリル素材を繊維化したものは、綿やウール、シルクなどよりも軽く、
綿1.54、ウール1.32、シルク1.33~1.46に対し、
アクリル素材は1.14~1.17と非常に軽いのが特徴です。
肌ざわりはふっくらとして柔らかく、
繊維の間に空気層を作るので、保温性と保湿性を兼ね備えています。
さらに、アクリル繊維は染色した場合にの発色の良さも良好です。
他の繊維と混紡して染色しても鮮やかな色彩を表現することができるため、
今日でも多くの織物やニット製品に利用されています。
アクリルディスプレイの歴史と概要

アクリルの性質について

アクリルの性質についてアクリルは概要で述べたように、繊維にすると綿などよりも軽く、
保温性・保湿性に優れた繊維となりますが、
板にするとその強度は非常に高くなります。
この素材は、光線透過率がガラスの92%をしのぐ93%で、
その重厚な質感から「プラスチックの女王」という愛称が付けられています。
優れた加工性を持っており、切断や穴あけはもちろんのこと、
曲げることも可能でその加工度は自由自在です。
また接着剤にもしっかりと密着するので、何枚かを貼り合わせることも可能です。
夏の強い日差しや風雨・雪などの厳しい気象条件でも耐えうる性能を持つため、
外で看板や建築資材に使用されています。
さらに、耐衝撃性にも非常に優れているので、落下などでも破損しにくく、
万が一破損してもガラスの様に破片が飛び散ることがなく安全です。
こうしたことから、店舗でのディスプレイ用什器に使用されることが多いのです。
伸縮性にも優れているので加工がしやすく、様々な形に成型することが可能で、
マイナス40℃から65℃までの温度に耐えることができます。
絶縁性にも優れており、高電圧に耐えるので絶縁素材としても活用されています。

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